*ウスバツバメガの配偶行動3:メスの拒否

(5.5MB, 00:00:57)
撮影日:1987/09/23
撮影場所:奈良県生駒市上町長久寺境内


小汐千春
(Chiharu Koshio)
2006/01/18登録

種類:ウスバツバメガ, Elcysma westwoodii
キーワード:求愛行動 配偶行動 メスの拒否行動 フィーメイルチョイス


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マダラガ科の昼行性蛾類の一種ウスバツバメガは,西日本一帯に広く分布している蛾で,9月下旬から10月上旬にかけて成虫となり,交尾・産卵を行います。交尾行動は早朝6時から8時頃にかけて見られます。この時間帯,メスは食草であるサクラやウメなどのバラ科の樹木の葉裏や周辺の植物にとまっていて,フェロモンを放出しています。オスは視覚と嗅覚を頼りにメスを探して飛び回り,メスを見つけると近くにとまって翅を激しく振るわせながら求愛します。オスは求愛の際に,腹部先端にある尖った把握器でメスの腹部先端をつかんで交尾しようとしますが,メスは腹部を曲げたり歩いて逃げたりしてなかなかオスを受け入れません。この間に,しばしば多数のオスが集まってメスに求愛します。性フェロモンを出しているにもかかわらずメスがオスをなかなか受け入れない理由についてはよくわかりません。ただ,このメスはこの数分後にオスと交尾をします(ウスバツバメガの配偶行動2の映像参照)。このような拒否行動を通じてオスを選り好みしているのかもしれません。

参考文献(登録映像の行動を扱った論文等):

Koshio, C. and Hidaka, T. 1995 Reproductive behaviour of the white-tailed zygaenid moth, Elcysma westwoodii (Lepidoptera, Zygaenidae) I. Mating sequence. Journal of Ethology 13: 159-163

Koshio, C. 1996 Reproductive behaviour of the white-tailed zygaenid moth, Elcysma westwoodii (Lepidoptera, Zygaenidae) II. Female mating strategy. Journal of Ethology 14: 21-25

(データ番号:momo060117ew01a)

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