ウスバツバメガの配偶行動2

(34.9MB, 00:03:10)
撮影日:1987/09/23
撮影場所:奈良県生駒市上町長久寺境内


小汐千春
(Chiharu Koshio)
2005/10/11登録

種類:ウスバツバメガ, Elcysma westwoodii
キーワード:求愛行動 配偶行動 オス間競争 フィーメイルチョイス


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マダラガ科の昼行性蛾類の一種ウスバツバメガは,西日本一帯に広く分布している蛾で,9月下旬から10月上旬にかけて成虫となり,交尾・産卵を行います。交尾行動は早朝6時から8時頃にかけて見られます。この時間帯,メスは食草であるサクラやウメなどのバラ科の樹木の葉裏や周辺の植物にとまっていて,フェロモンを放出しています。オスは視覚と嗅覚を頼りにメスを探して飛び回り,メスを見つけると近くにとまって翅を激しく振るわせながら求愛します。オスは求愛の際に,腹部先端にある尖った把握器でメスの腹部先端をつかんで交尾しようとしますが,メスは腹部を曲げたり歩いて逃げたりしてなかなかオスを受け入れません。この間に,しばしば多数のオスが集まってメスに求愛します。この映像でもオスが多数集まってきています。オス同士は直接争うというよりは,一刻も早くメスの腹部先端をつかまえようと争っているようです。交尾できるオスは必ずしも最初に来たオスではなく,この映像の場合も最後の方に来たオス(7時13分頃右側から来て画面では一番奥で求愛していたオス)が交尾しています。オスは交尾が成立すると翅を立てます。交尾が成功してもしばらくは他のオスたちがメスに求愛し続けますが,そのうちに飛び去っていきます。交尾は通常,昼過ぎまで続きます。

参考文献(登録映像の行動を扱った論文等):
Koshio, C. and Hidaka, T. 1995 Reproductive behaviour of the white-tailed zygaenid moth, Elcysma westwoodii (Lepidoptera, Zygaenidae) I. Mating sequence. Journal of Ethology 13: 159-163

(データ番号:momo051011ew01b)

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